
空港で飛行機を撮るなら、フルサイズ換算で100〜400mm(できれば500mm)の望遠ズームと、24〜105mm前後の標準ズームの2本があれば、ほとんどの場面に対応できます。
筆者が国内外9つの空港で撮ったポートフォリオ写真98枚の焦点距離を、フルサイズ換算で集計したところ、400mm以下が90%、500mm以下が96%でした。一方で、105mm以下で撮った写真も43%ありました。超望遠ばかりに目が行きがちですが、実際には標準ズームの出番も多いのです。
焦点距離の分布:400mm以下で9割
98枚の焦点距離の内訳です。APS-C のカメラで撮った19枚は、1.6倍してフルサイズ換算にそろえています。
| 焦点距離(フルサイズ換算) | 枚数 | 割合 |
|---|---|---|
| 50mm以下 | 22 | 22% |
| 51〜105mm | 20 | 20% |
| 106〜200mm | 18 | 18% |
| 201〜300mm | 12 | 12% |
| 301〜400mm | 16 | 16% |
| 401〜600mm | 6 | 6% |
| 601mm以上 | 4 | 4% |
600mmを超える焦点距離が必要だったのは4枚だけでした。ただし、これは「空港の撮影地」での話です。展示飛行を遠くから撮る航空祭では、もっと長い焦点距離が欲しくなる場面があります。
空港によって必要な焦点距離はまったく違う
空港ごとに、焦点距離の中央値(フルサイズ換算)を比べました。
| 空港 | 枚数 | 中央値 | 最長 |
|---|---|---|---|
| シドニー | 9 | 320mm | 400mm |
| 羽田 | 14 | 239mm | 960mm |
| 香港 | 12 | 216mm | 500mm |
| アンカレッジ | 10 | 180mm | 400mm |
| 成田 | 8 | 149mm | 400mm |
| アムステルダム | 11 | 135mm | 320mm |
| フランクフルト | 10 | 135mm | 640mm |
| 国内の地方空港 | 16 | 89mm | 640mm |
羽田と香港は撮影地から滑走路までの距離がある場所が多く、200mmを超える焦点距離をよく使っています。一方、アムステルダムやアンカレッジは滑走路の近くで撮れる場所があり、100〜200mm前後で機体が大きく写ります。これから行く空港の撮影地が滑走路からどのくらい離れているかで、レンズの長さを決めるのが合理的です。


焦点距離ごとに撮れる写真
24〜105mm:展望デッキ、夜景、空港の景色
展望デッキから駐機場を見下ろす写真や、ターミナルの夜景、機体を入れた風景は、標準ズームの出番です。43%の写真がこの範囲でした。


100〜300mm:離着陸機を画面いっぱいに
滑走路に近い撮影地なら、このくらいの焦点距離で機体を大きく写せます。


400〜600mm:遠くの滑走路、誘導路の切り取り
滑走路から離れた撮影地や、誘導路を走る機体を大きく写すときに必要になります。


APS-C のカメラなら「1.6倍」で考える
キヤノンの APS-C のカメラ(EOS R7 など)は、同じレンズでもフルサイズより約1.6倍大きく写ります。100-400mm のレンズなら、フルサイズの160-640mm 相当です。遠くの被写体を大きく写したいときには有利な一方、展望デッキで広い景色を撮るには、より広角のレンズが必要になります。
予算別のおすすめの組み合わせ
| 予算の目安 | 望遠 | 標準 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 抑えめ | RF100-400mm F5.6-8 IS USM | キットレンズ | まずは空港撮影を始めたい人 |
| 標準 | RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM | RF24-105mm F4 L IS USM | 国内外の空港で幅広く撮りたい人 |
| 遠さ重視 | RF200-800mm F6.3-9 IS USM | RF24-105mm など | 滑走路から遠い撮影地が多い人、航空祭 |
価格は時期によって変わるため、最新の価格はリンク先で確認してください。
高いレンズは、必要な焦点距離を確かめてから
望遠ズームは高価な買い物です。いま持っているレンズの望遠端で1日撮り、「もっと寄りたかった」と思った枚数を数えてみてください。それが多いなら買う価値がありますし、少ないならいまのままで足ります。行き先によっても変わるので、通う空港を決めてから選ぶのが確実です。
まとめ
- 空港撮影なら、フルサイズ換算100〜400mm(できれば500mm)の望遠ズームで9割以上の場面をカバーできる。
- 105mm以下で撮る場面も4割あるので、標準ズームも一緒に持っていく。
- 羽田や香港のように撮影地が滑走路から遠い空港では、400mm以上が活躍する。
- APS-C のカメラは、同じレンズで1.6倍大きく写る。
レンズごとの詳しい作例はRF100-500mm の実写レビューで、撮影時の設定は飛行機撮影の設定の目安で解説しています。